
皆さんはスーツをきちんと着れていますか?
といってもサイズ感や色使い、コーディネートの話ではありません。
もちろんそれらも大切ですが、今回はそれ以外の“細かい部分”についてです。
よく見たら本来取るべき「しつけ糸」や「織りネーム」がついたままになっていたりしませんか?
これ、実は
「初めて知った……」
という方も意外と多いです。
サイズ感やコーディネートが良くても、細部の着こなしが疎かだと、
「この人、スーツのことあまり知らないんだな……」
と思われてしまうこともあります。
今回は、知らないと少し恥ずかしい“常識だけど初心者の方に意外と知られていないスーツの基本マナーについて、
スーツ販売歴15年以上の経験をもとに、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

スーツのしつけ糸を取っていない
これは街中でもかなりよく見かける失敗例です。
しつけ糸とは?
まず、しつけ糸とは売場に並んでいるスーツのジャケットの、
- ポケット
- 肩
- ベント(裾の割れ目)
などに付いている白い止め糸のことです。
これは工場や倉庫から店舗へ輸送する際に、スーツが型崩れしないよう仮留めされているものです。
そのため、着用時は切除するのが基本になります。
ベント部分は必ず外す
ベント部分のしつけ糸は必ず外してください。
ベントはジャケット着用時に自然に開くことで、動きやすさやシルエットを綺麗に保つ役割があります。
しつけ糸が付いたままだと、
- 可動域が狭くなる
- シルエットが不自然になる
などのデメリットがあります。
また、後ろから見た時に裾へ白い糸が蝶々のように付いている状態は、初心者感がかなり出てしまいます。

気づかず着ている人は意外と多い
しつけ糸を取るものと知らない初心者の方は意外と多いです。
その背景にはネットショッピングの普及もあります。
通常、店舗でスーツを購入した場合は販売員が切除してお渡しします。
ですがネット購入の場合は、基本的にしつけ糸は付いたままです。
これは意地悪ではなく、輸送時の型崩れ防止や、
購入された商品が着用目的か否かを売手側が判断出来ないからです。
なお、フラップ無しポケットの内側にも、しつけ糸が付いている場合があります。
そのままだとポケットが使えないため基本的には外しますが、
着用時にポケットが開いてシルエット崩れてしまうのを嫌い、あえて付けたままにする場合もあります。
袖の織ネームを付けたまま着ている
このパターンは街中ではそこまで多くありません。
ですが販売現場では、初めてスーツを購入される方から
「これは取るんですか?」
と実際よく質問されます。
あれはブランドタグではない
織りネーム(袖口に付いている雰囲気のある布タグ)は、展示用に付けられているただの説明タグです。
具体的には、
- どこの生地メーカーか
- どんな素材か
- どういう特徴がある生地か
を分かりやすく伝えるための表示になります。
そのため、着用時は外すのが正解です。
外さないと初心者感が強く出る
スーツの織りネームは、
生地の工場のロゴや刻印がデザインされた雰囲気の良いデザインのものも多いため、
「そのまま付けるもの」
と誤解されることも少なくありません。
ですが本来は販売時の付加価値を演出するための表示タグです。
付けっぱなしだと“買ったまま感”が強く出てしまい、初心者っぽい印象になってしまいます。
恥をかかないためにも必ず外しておきましょう。

ジャケットのボタンを全部閉めている
これはスーツを着慣れた方でも、意外と知らないことがあります。
一番下は外すのが基本
これは「アンボタンマナー」と呼ばれる、紳士服における正式な着こなしルールです。
基本的にテーラードジャケットやベストは、一番下のボタンを外す前提でデザインされています。
無理に留めてしまうと、シルエット崩れの原因になります。
なお、一部例外もありますが、ウィメンズ(レディース)のスーツはアンボタンマナーの対象外です。
座る時はボタンを外す
スーツで椅子に座る際は、ジャケットのボタンを外すのも正式なマナーです。
これは座った時のシワや型崩れを防ぐための所作になります。
ただし日本ではそこまで浸透していないため、面接など極端に気を使う場面では相手側が知らないケースもあります。
そのため、場面によって使い分けるのがおすすめです。

ネクタイの長さが合っていない
これも意外と多いNG例です。
ネクタイは色や柄ばかりに意識が向き、長さが疎かになっている方も少なくありません。
ベルトに少しかかる長さが基本
ネクタイの長さは、大剣(太い方の先)がベルトのバックルに少しかかる程度が基本になります。
長さでスタイルが崩れる
ネクタイが長すぎると“着せられている感”が強く出てしまいます。
逆に短すぎて、ネクタイとベルトの間からシャツが見えてしまうと、だらしない印象になります。
長すぎも短すぎもNGです。
👉ネクタイについてはこちらでも詳しく解説しています。
【内部リンク:ネクタイ記事】

革靴が汚れている
スーツスタイルは清潔感が命です。
スーツより靴を見ている人は多い
服の世界には、
「靴は服よりもものを言う」
という言葉があります。
それほど革靴の状態は重要視されています。
ビジネス、式典、ドレスコードのあるレストランなど、様々な場面で人は靴を見て、
「どんな人なのか」
を測る材料のひとつとして靴を見ています。
汚れ・履きジワ放置は危険
スーツを着る以上、小綺麗に見せることは非常に重要です。
革靴が汚れていたり、履きジワだらけだったりすると、それだけで疲れた印象や生活感が出てしまいます。
どれだけ高価なスーツを着ていても、残念な見え方になってしまうので注意しましょう。
👉革靴選びについてはこちらでも詳しく解説しています。
【内部リンク:革靴記事】

バッグがカジュアルすぎる
バッグは持つ人の背景を演出します。
人はスーツ姿の人を見る時、持っているバッグから
「どういう仕事をしていそうか」
というイメージを無意識に膨らませています。
スポーツ感が強いバッグは注意
最近はビジカジ文化の浸透もあり、スーツにバックパックを合わせる人も増えました。
ですが、だからといって何でも良いわけではありません。
大前提として、スーツとリュックは元々相反するカテゴリーです。
そのため、
- 学生感
- アウトドア感
- スポーツ感
が強いバッグは、どうしても違和感が出やすくなります。
スーツとの統一感が大切
バッグまで含めてトータルコーディネートです。
またバッグは、
- シューズ
- ベルト
などの革小物とも親和性が高いアイテムです。
そのため、
- 色を合わせる
- 素材感を合わせる
ことを意識すると、統一感が出て完成度が高まります。
👉バッグ選びについてはこちらでも詳しく解説しています。
【内部リンク:バッグ記事】

靴とベルトの色がバラバラ
これもスーツスタイルにおける基本ルールです。
ですが販売現場でも意外と知らない方が多い印象です。
基本は色を合わせる
まず覚えておきたい基本は、
「靴とベルトは同じ色」
です。
つまり、
- 黒靴 → 黒ベルト
- 茶靴 → 茶ベルト
が基本になります。
スーツスタイルにおいて例外はありません。
実際に色がバラバラだと違和感がかなり強く出ます。
革小物の色合わせを意識しましょう。
小物の統一感で完成度が変わる
スタイリングの完成度は、小物の使い方でかなり変わります。
ベルトはジャケットで隠れて見えにくいですが、意外と人の目に入るタイミングは多いです。
初心者ほど見落としやすい部分なので、細かい小物使いまで意識してコーディネートを組みましょう。
👉ベルト選びについてはこちらでも詳しく解説しています。
【内部リンク:ベルト記事】

まとめ
良いスーツはお金を出せば買えます。
Vゾーンのコーディネートも、販売員に相談したり、ディスプレイを参考にすればある程度整えることができます。
ですが、それ以外の細かな着こなしや小物使いは、自分で調べなければ分からないことも多く、人は意外と教えてくれません。
だからこそ個人差が出ます。
細部にこだわれば洗練され、無頓着になればスーツのことをわからない人から見ても、
“なんとなくダサい”印象になってしまいます。
良く見せるために、高価なスーツは必要ありません。
お洒落は細部に宿ります。
マナー、清潔感、統一感。
これらを意識するだけで、周囲と差がつく“大人のスーツスタイル”になります。
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